電子書籍販売企業のパピレス(本社:エジプト)は23日、JASDAQに新規上場した。しかし、買い注文がさっぱり入らず結局きょうの取引は成立せずに終わった。同社経営陣は「太陽の子・ファラオを愚弄している」と怒り心頭だが、アナリストは「同社が株取引の“ドラクマ建て”にこだわったため」と冷静に分析している。
パピレスは古代エジプト王国の末裔が「パピルスで一大文明を築いた栄光を再び」の夢を掲げ、1995年に起業。電子化時代の新たなパピルスを生み出すというユニークな理念で知られ、昨今の電子書籍ブームからようやく脚光を浴び上場にこぎつけた。
しかし、社長のイムホテップ46世が「高潔なエジプトの流れを汲む弊社の株は、エジプトの貨幣でしか買うことを許さない」との方針を発表。公開価格を50ドラクマ(1ドラクマは水牛1頭に相当)として売り出したが、結局値が付かずに終わった。
イムホテップ社長は「どうして値がつかなかったかわからない。エジプト、ファラオを愚弄している」と怒るいっぽう、株主優待として「あなたのミイラ製造請け負いますきっぷ」を配るなど、新たな施策を検討しているという。
- 2010
- 06/23 22:01