荒川弘の人気マンガ「鋼の錬金術師」=通称「ハガレン」が6月発売の「月刊少年ガンガン」で最終回を迎えることがわかった。編集部では、しばらく充電期間をとったのちに同じ世界の外伝となる
「アルミの錬金術師」
を連載開始する方針とのこと。ファンの期待は否応なく高まりそうだ。
ハガレンは、資源に恵まれず戦争を繰り返すようになってしまった国家・アメストリスで、鋼を量産する錬金術を身につけた少年エドワード・エルリックが祖国の近代工業国化を推し進めていく─という社会派マンガ。毎回“手パン”で鉄を圧延するシーンが、鉄鋼業関係者に人気だった。
新作「アルミの─」では、アルミの希少性の高さに目をつけ錬金術を習得した少年が、アルミニウム電解法の発明で暴落した相場のあおりを食らって無一文となるも、アルミ缶拾いで小銭を集めながら捲土重来を狙うというサクセスストーリー。主人公の決め台詞が
「何かを得るためにはプライドを捨てなくてはならない」
という等価交換の原則である点は、ハガレンとまったく同じだ。
作者の荒川さんは「錬金術をテーマにしたハガレンで、若者に“欲しいものは何でも手に入る”という誤解を与えてしまった。次回作はそのアンチテーゼとしたい」と意気込みを語っている。