木星が近傍を通る彗星を“捕獲”する奇妙な天体現象が観測され話題を呼んでいるが、これが“他の星の住人”による人為的工作だということが追跡調査で判明した。正体は、なんと太陽系惑星連合から追放された悪の枢軸
“冥王星人”
で、木星に前哨基地を建設してくだんの現象を引き起こしているらしい。いったいこの所業の目的は…?
“木星の彗星捕獲”が冥王星人のしわざと判明したのは、海王星人からの通報がきっかけ。彗星捕獲現象の謎を調べるため彼らが無人調査船を派遣したところ、木星の衛星軌道上に怪しい宇宙基地が発見された。ご存知のとおり木星には生命が存在しないためいぶかしんで基地の中を調べたところ、触手だらけのいやらしい冥王星人の姿が確認できたという。
報告によれば、基地には大容量のトラクタービーム発生機が備え付けられており、彗星捕獲現象はこれにより引き起こされていたと見て間違いない。さらにマスドライバーも発見され、彗星が捕獲されたあと再び木星の重力の井戸から解放されたのは、これによって射出されたようすが観測されたものと見られる。つまり、すべての現象は冥王星人の陰謀だったのだ!
とはいえ冥王星人の目的はなんなのかが気になるところ。太陽系に詳しい識者は
「小ささを理由に惑星の座を追われた冥王星を、カサを増して返り咲かせるのが狙いだろう」
と見る。冥王星の科学力では直接彗星を捕獲することは難しい。そこで引力の強い木星を利用して彗星を集め、マスドライバーで冥王星に送ろうという計画なのだ。自分たちの利益のために彗星を盗むとは、あらためて冥王星人の卑劣さが浮き彫りになったかっこうだ。太陽系惑星連合には、冥王星に対しあらためて毅然とした制裁措置を取ることが求められそうだ。