岡山県警は28日、他人の赤ん坊を誘拐し自分の子どもとして勝手に育てていたとして、県内在住の老女を未成年者略取の容疑で逮捕した。老女は大筋で容疑を認めており、
「鬼退治するような立派な子どもがほしかった」
と動機を語っているという。
逮捕されたのは、岡山県・鬼ヶ島近く在住の桃太郎のおばあさん容疑者(88)。調べによると同容疑者は、数年前に近所の川で洗濯していたところドンブラコドンブラコと川上から被害者の桃太郎さん(当時0歳)の入った大きな桃が流れてきたため、
「これさいわい」
と誘拐。家に連れ帰って自分の子として育てた疑いが持たれている。
おばあさん容疑者は、子宝に恵まれていなかったこと、鬼を倒すような大物を育てて大儲けし老後の生活を安定させたかったことなどを動機にあげているが、県警では
「年端もいかぬ子どもを親から引き離すとは鬼畜にも劣る行為」
と、さらに厳しく余罪を追及していく方針だ。また「山でまき割りをしていたので犯行については知らない」としている容疑者の夫・おじいさん氏についても、共犯やナタをもって子どもに迫ったDVの疑いがあるとして事情を聞いている。
容疑者の逮捕で長い監禁生活から解放された桃太郎さんは、実の親として名乗り出た鬼ヶ島の鬼さん(38)と県警本部で感動の再会を果たした。鬼さんは最近、正体不明の暴漢に自宅を襲われ金銀財宝をすべて盗まれるという不幸があったばかりだが、
「再会できた息子が何よりの宝」
と涙を流しながら喜んでいた。