<日本財団・曽野綾子さん>
24日を前に、街ゆく人々はみな「クリスマスイブだね」「クリスマスだね」と浮かれている。まるで熱病にかかったかのようだ。子どもたちも「サンタさんが来るよー」と大はしゃぎだ。なんでもクリスマスにはプレゼントがもらえることもあると聞いた。プレゼントだと。ばかばかしい。本当に大切な者に贈るのなら現金を送ったほうがはるかに有用ではないか。そもそもキリスト生誕の日たった一晩くらいのことで、なぜそんなに下々の人間を甘やかすのか。欲しいものがあれば、健常者なら自分でどこかから強奪してくるのがふつうだ。だが、そもそも論として大騒ぎの原因である
「クリスマスやサンタクロース」
自体が、実は存在が疑わしいものだということをあなたはご存知だろうか。
まず「クリスマスにはイエス・キリストが生まれた」という説に大きな疑惑がある。私が調査したところ、このイエス・キリストという人物の母=マリアは
「処女だった」
というとんでもない事実がわかった。処女が子を産む…それは、穴の開いていないボトルからワインを出せというような話でまったく荒唐無稽である。マリアという名の女には嘘つきが多いようだ。また、キリスト生誕前夜には「ベツレヘムの星がありえない輝きを放った」とされているが、これもおかしい。そんなに強い光を星が放っていたら有害な宇宙線も同時に放出されるはずで、今ごろ全人類は目が見えなくなり地上は歩く巨大植物に支配されていたのではないか。つまり、キリストは生まれていなかった。もちろんクリスマスもなかったのである。
また、サンタクロースについてはさらに大きな疑惑がある。読者のみなさんはアナグラムというものをご存知だろうか。語中の字を並び替え、本来の語意を隠す手法である。このサンタクロースという語がアナグラムで生成されたものだと想定して、本来の字順に並び替えたうえでノイズを排除してみよう。なんと
「サタンクロス」
となった。悪魔の十字架である。巷間では「気のいいおじさん」などと言われているサンタクロースだが、実は悪魔の化身、まさに罪の巨根だったということが判明した。
このような嘘の歴史がなぜまかり通るようになってしまったのか。詳細は不明だが、基本的に反日勢力の陰謀に間違いない。人々がとんでもないフィクションにまどわされないよう、「バーチャル・リアリティは悪であるということをハッキリと言う」教育をすすめていくことが必要であることは、論を待たないだろう。あらためて確認しておく。
「クリスマスはなかった!」
のだ。