中国の工場で働く少女が誤って自分の写真入りiPhoneを出荷したことから一躍「iPhoneガール」として世界的有名人になり話題を呼んでいるが、この少女が昇進していたことが4日までにわかった。勇気づけられた国内各地の非正規労働者らは、
「iPhoneガールに続け!」
とばかり、さっそく活発な動きを見せはじめている。
大分県のキヤノン大分工場。鈴木公男さん(仮名・30)はiPhoneガールの向こうを張り「キヤノンボーイ」を目指しがんばることにした。鈴木さんは同社主力デジカメ「IXY」の検品ライン担当だが、iPhoneガール昇進を知って撮影試験に力を入れはじめた。適当にデジカメを抜き取っては自分の顔や股間のアップを撮るのだ。もちろんデータは消さずに出荷する。
「いつか世界の誰かが気付いて話題にしてくれたら、私も正社員に昇進できる。惚れて交際を申し込んでくる女性もいるかも」
そんな夢を見る鈴木さん。
愛知県のとある工場で働く田中幸雄さん(仮名・32)は、トヨタに納品する車の座席を作っている。iPhoneガールの話を聞き、「座席の中に忍び込むスペースを秘密で作れないか」検討を始めた。
「座席の中に私が入ったまま出荷されたら、車を買う人は驚く。きっと“トヨタマン”と話題になる。人生が変わるかも」
と、瞳を輝かせて計画を語る。
ちょっとしたことがきっかけで世界的有名人になっただけでなく、生活の不安定な非正規労働者にも生きる希望を与えたiPhoneガール。この薄汚く見える世界にも、まだまだチャンスが満ち溢れている─と教えてくれたようだ。