茨城県城里町で訓練中の陸上自衛隊員らがプラスチック爆弾をなめたところ体調を崩し病院にかつぎこまれた事件で、防衛省は30日、
「問題のプラスチック爆弾は中国からの輸入品で、有毒成分が混入されていた」
との調査結果を発表した。毒入りギョーザの次は毒入りプラスチック爆弾…。再び中国への非難が再燃しそうだ。
この事件では、陸上自衛隊古河駐屯地の陸自隊員ら24人が嘔吐やけいれんなどを起こして現在も入院中だ。茨城県警が現場に残されたプラスチック爆弾を検査したところ、人体に有害な「トリメチレントリニトロアミン」が検出された。トリメチレントリニトロアミンは殺鼠剤にも使われる危険な毒物で、人間が摂取するとひどい嘔吐のほかてんかんのような発作を引き起こすという。
プラスチック爆弾は樹脂で念入りに固められていることから購入後に毒を混ぜることは難しく、製造時に混入された可能性が高い。このため茨城県警は、該当爆弾の製造元である中国の天洋武器公司で生産ラインに不備があったものと見て、現地に確認を依頼中だという。陸自では、経費削減のため10年前からプラスチック爆弾の調達元を中国企業に切り替えていた。混入の事実が確認されれば、第二の毒入りギョーザ事件として中国への非難が沸騰することは避けられない見通し。
この件について、古河駐屯地の陸自広報官は
「毒入りプラスチック爆弾とは恐ろしい話。日本では本土決戦ともなれば各戸に自決用爆弾を配る美しい風習があるが、こんなものを配っていたら子どもが間違ってなめて死ぬこともある。また軍のせいにされてしまうかも知れない。そうなる前にわかってよかった」
と胸をなでおろしていた。