いじめっ子や不良の「焼きそばパン買ってこいや!」という声…。この理不尽な命令、誰もが一度は聞いたことがあるものだが「なぜ焼きそばパンなのか」はなぞに包まれていた。東京大学の伊藤瑪兼博士らの研究グループは、このなぞの解明に成功。16日付仏科学雑誌「アール・ナチューレ」に論文を発表した。
不良たちがなぜパシリに焼きそばパンばかりを買いに行かせるのかは長年なぞとされており、気鋭の物理学者や経済学者らがつぎつぎ取り組んでは挫折させられ「21世紀中に解明されることはない」とも言われてきた。今回、伊藤博士らのグループは栄養学的な見地からアプローチをおこない
「不良は特定の栄養素を補給するために合理的な活動をしている」
ことを突き止めた。
その栄養素とはブドウ糖だ。炭水化物を炭水化物ではさむ焼きそばパンは一見非常識だが、消化することで大量のブドウ糖を吸収できる合理的な食物だ。不良たちの多くは恵まれない家庭に育ち朝食を抜くことが多いため、脳がブドウ糖不足となりイライラしがち。これを本能的に解消しようとして、彼らは焼きそばパンを買ってこさせるのだという。
論文では「こうした不良をおとなしくさせるにはできるだけ早く焼きそばパンを補給することが大事」と、焼きそばパン購入の重要さを指摘している。大きななぞを解き明かした伊藤博士らのグループは、次の研究テーマとして「なぜ転校生は登校途中でドジっ娘とぶつかるのか」を検討中だという。