カメラを通して映した画面上にバーチャルなキャラクターが映し出される、いわゆる「拡張現実(Augmented Reality。AR)」のiPhone 3G版が登場し話題を集めている。「やっぱiPhoneすごいよねー」「ガラパゴス使ってる連中は情報弱者w」などとApple信者が騒がしいが、なんと
「iPhone以外のカメラ付きケータイでもAR体験ができる」
ことがわかった。ジョブスの下僕になりたくない人々には朗報と言えそうだ。
都内在住のOL・A子さん(28)も、国産ケータイでAR体験をしたひとり。A子さんは、さきのゴールデンウイークに友人らと連れ立って有名な合戦場跡地へと国内宿泊旅行に出かけた。現地では天気にも恵まれ、友だちがはしゃぐようすをケータイの動画機能で撮影…。ARに気がついたのは帰京して写真の整理をしていたときだった。
「なにこれ!
B子の肩の上に男の人の生首が映ってる!」
あわてて旅行先のパンフを調べたところ、生首の顔は地元で四百年前に落ち武者狩りで首を斬られたという男にそっくり。
映像はリアルで、かなりのハイポリモデリング技術が駆使されているもよう。しかも、音をよく聴いてみたところ
「無念なり…死んでも死に切れぬ…」
と合成音声まで記録されていることがわかった。A子さんは「iPhoneのやつはたかがダースベイダーで声もないんでしょ? カッコだけって感じ。こっちのほうがすごい。日本のケータイ使っててよかったー」と話している。
こうした日本製ケータイのARは
「Kareobana」
と呼ばれる専用ライブラリで実現されており、フットプリントが小さく2~3世代前の端末でも軽快に動作するのが特徴だ。Kareobanaをダウンロードして試したという利用者の報告は、すでに
- ケータイでベッドの下を撮影したら、包丁をもった男が潜んでいるのが映った
- 柳の下で三人並んでケータイで記念撮影したら、真ん中の人だけ消えて映った
など全国から相次いでいる。書いているうちに記者は夜中にトイレに行ける自信がなくなってきたので、このあたりでやめておくべきだと言えそうだ。