1日に発生した東京証券取引所の取引停止障害について、原因を調査していた東証システム事業部は「内部人員にトラブルが起きたため」とする中間報告書をまとめた。売買システムの該当部分は富士通が担当しており、東証では同社の責任を追及することも辞さない構えだ。
報告によると1日の取引終了後に係員がシステム内部を検査したところ、中央演算処理ユニットの中の人が死んでいることがわかった。死因は過労死と見られる。
中央演算処理ユニットは、東証が一日に処理する一兆三千億円の取引すべてを管理する重要部位。経済産業省は信頼性確保のため、一日一兆円を超える金額の処理を行う演算ユニットでは中の人を「最低六交代制」にするよう指導している。東証では、業務請負先の富士通がデスマーチなどでこの基準をクリアできなかったのではないかと見て、お祓いをしつつ調査を進めている。
取引システムの中の人が過労死したケースは、2002年春の「みずほ銀行合併トラブル」以来。
今回の中間報告を受け与謝野経済財政・金融担当相は
詳しい内容は実際の報告書を読んでみないとわからないが、最近のシステムエンジニアは精神力が足りないのではないか。むかしの日本人には特攻精神というものがあって、死んでも敵艦を撃沈するなど活躍したものだ。取引システムの中で即身仏になっても処理を完遂するくらいの心構えがほしい
と語っている。