汚染米問題に関するテレビ番組で太田誠一農相が
「人体に影響はない。だから、あまりじたばた騒いでいない」
と発言した件で、国民のあいだに動揺が広がっている。この大問題で「じたばた騒がない」とはいったいどういうことなのか、意図をはかりかねているためだ。こうした難解なことばをズバリ解説すべく、あの人がふたたび博識を披露してくれた。方言の専門家にして、いま自民党総裁選レースのまっただなかにいる麻生太郎幹事長だ。
12日午後、麻生幹事長は記者団の取材にこたえ「あれは明らかに方言だろ。関西以西の人はみんな言う」と快刀乱麻ぶりを見せつけた。それによると、九州の「じたばた」とは古語の「ヂダマ(地霊)」がなまったもの。土地に住み着いた怨霊のようすを示す。ここから転じて、「じたばた騒いでいない」は
「地霊が騒がない、安全なようす」
を意味するのだという。つまり、太田発言は「人体に影響はないので安全だ」と述べたにすぎないというわけだ。
九州方言研究会を主宰する福岡教育大の杉村孝夫教授(方言学)によると、たしかに九州北部ではそのような用法が主流で、たとえば
「きょうの麻生鉱山は、じたばた騒いでいない」
などと言うと、
「きょうの麻生鉱山は(戦中の強制連行で過酷な労働に従事させられ死んだ多数の朝鮮人の)怨霊が落ち着いており、祟りを起こしたりしていないですね」
という意味になるという。
また、麻生幹事長は「じたばた騒いでいない」が印欧祖語の「ヂーダマーサッディールナー」、つまり
「未来永劫にわたって怨霊が落ち着いていますように」
と音韻論的な特徴が一致することに言及。太田氏が国を愛する一心で「国民生活と食の安全の永遠の継続」を祈る言霊を発したのではないかという考えとともに、日本語とヘブライ語は同祖である可能性を指摘した。もはや太田発言が単なる放言だったり国民をないがしろにしたものではないことは明らか。今後もわが国の食が自公政権の永続によりヂーダマーサッディールナーとなることを祈りたいものだ。