政府の諮問機関である「イノベーション25戦略会議」は26日、未来のあるべき国民生活のすがたを提言する中間報告書をまとめた。同報告書の中では、モデルとして20年後の世界に暮らす地代作吾(じだいさくご)さん一家が登場。家長の作吾さん(78)ら6人家族が、食事はもちろん掃除や風呂の準備などをすべて機械にしてもらいながら暮らす未来のすがたが、親しみやすいかたちで記述されている。
…朝5時。作吾さんの妻(75)は、土間に下りて朝げの準備をはじめる。産む機械としての役割は終えて久しいが、料理する機械としてはまだまだ現役だ。今朝の食事はもちろん、バターの摂りすぎで人権メタボリックにならぬよう、あわやひえを炊いた大根めしだ。6時には家族全員が茶の間に飾られた総理の写真の前で起立・礼をしてから朝食。
8時。働く機械の作吾さんは、ここ50年登録し続けている派遣会社の指示に従い、トヨタの下請工場に向かう。息子(50)には派遣の連絡がなく、今日は家で発泡酒に酔いながら休日を満喫する機械となる。この平和な日々もイランで戦う機械をしている孫(29)のおかげだ。
孫娘(24)は掃除をする機械になるあいま、夜に繁華街で立つ機械になる準備をはじめる。彼女は女らしく学歴がないので、立たせる機械として一流と評判だ。いっぽうで母(45)は風呂をわかすのをしくじり、祖母になじられる機械と化している。
夜9時。作吾さん帰宅。日給5,000円を持ち帰る。しかし、味噌汁が薄いと怒鳴りだし、ドメスティックバイオレンスの機械となる。やがて酒を飲んで寝る機械に。
…このように、未来の日本ではあらゆる作業を機械が行うようになり、政治家にとって暮らしやすい世の中になるという。報告書の内容は、2025年の実現を目指し今年度から予算編成などに反映される。
- 2007
- 02/27 23:56