政府が12日に米・カナダ産牛肉の輸入再開を正式決定したことを受け、各地で大規模な抗議デモ活動がはじまっている。両国の牛肉は牛海綿状脳症(BSE)の発生で2003年以来禁輸措置が取られていた。年内にも流通しはじめると見られる米牛肉に対し、国民の拒否反応は予想以上にヒートアップする可能性が出てきた。
抗議活動の中心となっているのは、都内在住のジャムおじさん(54)が営むパン工場。おとなはもちろん子どもまで含む数百人の近隣住民が集まり、「狂牛病汚染牛肉輸入を許すな」とシュプレヒコールをあげている。
このパン工場周辺で抗議活動が盛んな原因のひとつは、すでにBSEの犠牲者が住民から出ていることだ。住民グループのひとり、バタ子さん(18)は次のように語る。
彼が原因不明の奇病に苦しみだしたのは5年前。やがて動けなくなり病床で医師に宣告された病名が変異型クロイツフェルトヤコブ病でした。人目をしのんでハンバーガーを食べるのが好きだった彼。原因は米国産牛肉由来のBSEに間違いありません
“彼”は、今では頭の中に脳みそ以外の何かがぎっしり詰まった状態になってしまい、意識すらない状態だという。
おなじグループに参加しているしょくぱんまんさん(32)は
あんぱんまんが死んだらぼくが主人公になるだけだから別にかまわないが、食パンにはビーフよりポークハムがよく合う。牛よりもカバ男を焼いて食べたほうが安上がりだし
と語る。国民の不安に小泉政権がどう答えるか。今後の動向から目が離せそうもない。