自身のブログに「高度医療が障害者を生き残らせている」などと障害者の出生を否定するような主張を展開し、物議を醸している鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(50)が、4日同市内で記者会見を開き
「私自身も障害者」
と衝撃のカミングアウトをした。反発していた障害者団体や市議会などには一転「涙なくして聞けない話だ」と市長を支持する動きが広がっている。
記者団の待つ市役所会見室に現れた市長は、開口一番「実は私自身も不治の病を宣告された障害者」と告白。高度医療による障害者支援を否定していると非難を呼んだ書き込みが、
「私も高度医療や保険制度の恩恵を受けて“生かされている”という感謝の気持ちを率直に表したもの」
と説明した。
同席した主治医によると市長は
「先天性デマゴギー症候群」
という重い障害に生まれたときから悩まされているという。同症候群を抱えた患者は脳の一部機能が阻害され、対人行動面で異常な行動を取るようになる。症例としては
- ブログでニセ科学知識や差別発言をひけらかす
- 部下に給料を払わない
- 政治家の仕事は過激な言動でウケを狙うことだと思い込む
などがある。国指定難病で治療法は死ぬ以外にない。
「最近ようやく病識が出てきて自分の行動を反省するようになった」と語る市長。
「こんな私でも生きながらえていてよいのだろうか」
との問いかけに、感極まった聴衆はみな「誰にでも生きる権利はある。市長も助け合って生きていこう」と涙を流しながら答えていた。日本が共生社会へと進歩する新たな歴史の1ページが、いま開かれた。