自作志向のPCユーザーにとっては格安でWindowsを購入する手段として長く親しまれてきた「DSP版Windowsのフロッピーディスクドライブ(FDD)とのセット販売」。このたび、実態にそぐわないなどとしてついに販売終了が決定した。そこでにわかに秋葉原で脚光を集めているのが、FDD以上に安価な記録媒体の
「クイックディスク」
だ。
DSP版Windowsは自作ユーザーに適したライセンス形態だが、CPUやメモリ、ハードディスクといったPCパーツとの同時購入が義務付けられていた。中でも単価の安いFDDはセット販売に利用されることが多かったが、マイクロソフト側から「フロッピーがほとんど使われていない実態にそぐわない」として代理店などに指導した模様。
そこで注目されたのが、FDD並に安い記憶装置のクイックディスクだ。1984年に開発され、シーケンシャル読み書きに特化したことで単純な構造と安さを実現した。なおかつ128キロバイトの大容量性も備えており、かつては任天堂が「ディスクシステム」として採用した実績もある。こうした過去から、DSP販売に転用するための中古在庫も潤沢だ。
秋葉原のショップ店員は「“FDDはダメ”というので一時は自作市場に深刻な影響が出るのでは…と心配した。クイックディスクのおかげでなんとかなりそうだ」と胸をなでおろしていた。アキバを行き交う自作ファンにインタビューをしたところ、
「クイックディスクなら、メディアがなくなったときも5インチフロッピーの中身を切り出せば自作できて便利」
と、おおむね好意的に迎えられていた。