カードの申し込み書類作成時などに広くおこなわれている「捨印」。毎年捨てられる捨印の数はおよそ1千万にものぼる。そんななか、まことしやかにささやかれているのが
「捨てられた捨印の怨念が積もり積もって、すさまじい呪いを撒き散らしている」
との噂だ。あまりに強大な呪いゆえに、なかには憑り殺されてしまった人もいるという。都市伝説の実態を追った。
都内在住の主婦・A子さん(50)。お兄さんは金融機関の窓口係員で、客に捨印を捨てさせる機会が多かった。あるときから「夜道で後ろを“ポン…ポン…”と尾行けてくる足音がする」と不安を口にするようになったという。それから数週たった晩、お兄さんは帰り道で死んでいるのが発見された。口の中にあずき甘味料を大量に詰まらせ、窒息死していたのだ…。
「捨印の呪いに違いありません。その証拠にきょうだいである私にも、ほら…」
A子さんが袖をめくって見せてくれた二の腕には、ハンコのかたちをしたあざがあった。
紅茶とショッピングが趣味のB子さん(30)はたくさんのカードをもっている。契約の際には多数の捨印を捨ててきた。やがて、夜のティータイムに紅茶を飲んでいるとどこからともなく
「すていん…すていん…」
とうらめしげな声が聞こえるようになったという。憔悴しきったB子さんが、ある朝、洗面台に立って顔を見たところ、前歯に恐ろしい茶色のシミが浮かび上がっているのを見つけた。「捨印の呪いに間違いありません」と語るB子さんの歯は、いまだ呪いのシミに染まったままだ。
捨印に呪われるケースが急増している原因について、捨印に詳しいハンコ屋店主の田中威三郎さんは
「安い三文判が普及したため。ちゃんとした吉相印なら捨印を捨てても呪われない」
と話す。昔の人は経験から捨印の呪いを知っており、これを退けるために吉相印を作ったり材質を聖なる象牙にしたりしていたのだそうだ。捨印を捨てる機会の多い人は、bogusnewsのアフィリエイト経由で正しいハンコを買うべきだろう。