前原国交相は18日閣議後の記者会見で、問題になっている八ツ場ダムをはじめ全国140ヶ所のダム建設を見直す“脱ダム路線”を改めて強調。さらに
「ガンダムも聖域ではない」
として、ガンダムの新規制作に対しても厳しい態度で臨む方針を明らかにした。
ダムと言えば巨額の予算が動く巨大な公共工事の最たるもの。ガンダムもそのひとつで、過去30年にわたって何回も何回も飽きずにリメイクが繰り返されてきた。しかし、識者からは
- そもそもガンダムの治水効果には疑問がある
- 「ダブルオー」みたいな寝言脚本でも、アセスメント不足で放映がオッケーされてしまう
など弊害が多く指摘されている。
前原国交相の発言は、こうした粗製濫造ガンダムを「黒歴史」として封印しようというもので、「一定規模で手堅い売上が見込める過去作品の焼き直し」に頼る官僚的アニメ制作を打破し、政治主導でまったく新しいアニメをバリバリ作る鳩山政権の方針を受けたものでもある。
とはいえ、ガンダム新規制作中止が関連業界に及ぼす経済的影響は甚大だ。なかでもガンダム建設を中心事業として潤ってきたバンダイは「いまだに過去作品の全ブルーレイ化も終わっていないのに」と困惑。
「それはエゴだよ!」
と反発しており、前原国交相の掲げる脱ダムがどこまで実現できるかはまったくの未知数と言えそうだ。