ローマの有名レストランで日本人旅行者が「ぼったくり」被害に遭った事件で、ローマ市のマウロ・クトルフォ副市長が直接被害者に謝罪するため9月に訪日することを決め、話題を呼んでいる。これに対し、国が「今回の事件を日伊両国の友好親善につなげたい」として日本のイタリア料理店に招いての接待を検討していることが8日までにわかった。
この事件は、茨城県つくば市の男性会社社長(35)らがローマ旅行中に現地のレストラン「パセット」を訪れたところ、日本円にしておよそ9万円という法外な金額を請求されたことに端を発するもの。イタリア当局は事態が判明した直後に同店を閉店処分とし、被害者にイタリア再訪問を呼びかけていたが固辞されたため、今回の副市長訪日による謝罪を決めた。国はこれを
「昨今めずらしい美談であり、友好関係を深めつつお互いに訪問しあう観光客を増やす絶好の機会」
として、被害男性をまじえて接待の席を設けることとした。
接待候補として選ばれたのは、日本随一のイタリア料理店チェーン
「サイゼリヤ」
だ。サイゼリヤといえば、ドリンクバーの充実とハンバーグステーキがわずか390円からという本格イタリア料理で知られる。関係者は
「安価で本格的なイタリアンを楽しめるサイゼリヤで、副市長にぼったくり防止のヒントをつかんでもらいつつ、日本人がどれだけイタリアを理解しているか知ってもらえれば」
と期待する。
接待のコース料理には、サイゼリヤが誇る
- 顧客の健康に配慮し量を減らした「ミラノ風ドリア」
- 冷凍庫から出してきたばかりの新鮮取れたて「アイスティラミス」
などの人気メニューも登場。また、サイゼリヤのキャンペーンソング作曲でおなじみの文化人・小林亜星さんも出席し、来賓をもてなす予定だという。