政府は6日、老朽化が指摘されている気象観測衛星「ひまわり」について、新たな代替システム
「GETA」
の投入を決定。本格的な予算策定作業に入った。暗雲の垂れ込めていた気象観測事業にとっては、先行きの明るさを感じさせるニュースと言えそうだ。
ひまわりはこれまで、貧弱な予算規模から代替機なしの不安定な運用を長年強いられおり、老朽化に伴う代替機の打ち上げについても先立つものがないために実現はほぼ絶望視されていた。そこで気象庁が提案したのが新システムのGETAだ。
GETAは、過去数百年のヒューリスティクスベースの観測記録を基に、
「明日天気になるかどうかを50パーセントの確率で当てる」
驚異のシステムとして知られる。それでいて必要経費はひまわりの「5億分の1」というコストパフォーマンスの高さが導入決定を後押しした。GETAを国家レベルの気象観測システムに採用するのは、先進国では日本がはじめて。
気象庁はGETAの導入に「200円」とふんだんな予算を投入。調達元として業界大手のダイソーの協力を得て、異例の2機体制を実現。1台が犬にもってかれたりしてもだいじょうぶという、万全の観測システムを構築する。宇宙開発に詳しいジャーナリストの松浦晋也さんは
「暗い話題の多い日本の宇宙事業において最近めずらしい明るいニュースだ。今後に期待がもてる。ただ、GETAの購入の際に間違って樹脂製サンダルを買ってしまうとエスカレータ事故を起こしやすいので注意してほしい」
と話している。