凶悪化するいっぽうの少年犯罪、日に日に低下する子どもたちのモラル…。こうした現象の背景にケータイの低年齢層への普及があることは、もはや疑いのない事実。総務省や携帯電話事業者を中心にケータイコンテンツの規制が進んでいるが、いっぽうで
「そもそもケータイ自体を子どもにもたせるべきではない」
とさらなる規制を求める声が、一部結社を中心にあがりはじめている。
「ケータイで変身した子どもにいきなり襲いかかられた」と恐怖体験を語るのは、秘密結社エターナル所属のスコルプ氏。先日、同氏はサンクルミエール学園に通う5人の中学生から“おやじ狩り”され、知り合いのフローラさんに贈られたローズパクトを強奪された。たいへん貴重なものだったため「返してほしい」と懇願したところ、子どもたちはふところからケータイを取り出して「プリキュア5」に変身。氏をボコボコに痛めつけたという。
スコルプ氏は、
「あとちょっとでローズパクトを私のものにできたのに…。ケータイが子どもたちの暴力性を助長しているのは明らか。許せないよ。没収してやるよ」
と怒りを隠せない。実は、同様の被害を受けた秘密結社や悪の組織はかなりの数にのぼっている。最近では、時間旅行者のカイさんと仲間のイマジンらが、ケータイで変身した子どもに「電車斬り」というセンスのない必殺技で殺されるなど凄惨な事件も起きていた。
識者の中には、
「こうした事態は1997年ごろにはすでに予見されていた。ケータイで凶暴化した高校生5人組が“ネジレジア王国虐殺事件”を起こした一件が嚆矢だろう。あのころに抜本的な対策を取っていなかったことが悔やまれる」
と指摘する向きもある。遅きに失したとは言え、いま規制すればこれ以上の被害拡大は防げるはず。秘密組織にやさしい青少年の育成に向け、今後論議を深めていく必要性があるだろう。