コンビニエンスストア「SHOP99」で4日間に80時間もの労働を強制された─として元店長が残業代などの支払いを求め東京地裁に提訴した件で、店を運営する「九九プラス」(本社:東京都小平市)が10日都内で会見を開いた。訴えについては
「重要な事実を隠蔽し弊社を誹謗する、きわめて悪質な裁判だ。真実を明らかにしたい」
と徹底的に争っていく姿勢を示した。
席上、九九プラスの深堀高巨社長は
「原告の元店長は重要な事実を隠している。それは、彼が働いていたのが地球ではなく
“SHOP99水星店”
だったということだ」
と怒りもあらわに訴えた。社長によると、この元店長は国内2ヶ所で店長を歴任後、同社の社内プロジェクトである「宇宙進出計画」に自発的に志願。昨年6月から水星店店長としての辞令をうけ現地で働いていた。
九九プラスでは一日8時間労働を遵守させているが、これはあくまで地球上における規定。自転周期が58日となる水星では一日の定時はこれを3で割った「19.3日」であり、この日数連続就業しなければ就労規則違反となる。
「80時間など、まったく働いていないもおなじ。むしろ労働者のモラルはここまで堕ちたか…とこちらが失望させられた」
と声をふるわせて語る深堀社長。
いっぽう、会社側では元店長が水星に赴任中
- 空気が薄かったり、寒暖の差の激しい(-183℃~427℃)労働環境に耐え切れなかった
- 頻繁に来店する火星人のマナーの悪さに悩んでいた
といった事情も把握しているという。深堀社長は「こうした悪環境で心身に不調をきたしてしまうこと自体は止むを得ないと考える。弊社としてもできるだけ補償していきたいが、ひどい誤りのある裁判については徹底的に争っていくつもりだ」と話し、早期和解を元店長に向け訴えていた。