警視庁は25日、都内を中心に人身売買をおこなっていた組織を摘発。関係者を略取・誘拐などの疑いで逮捕した。組織のアジトからは監禁されていたフランス人・ジョニーさんが見つかり、保護のうえ病院に運ばれた。生命に別状はないもよう。
逮捕されたのは自称・露天商の坂村太一容疑者(36)と自称・サクラの鈴木寛之容疑者(32)。調べによれば坂村容疑者らは海外組織から買い取った被害者を、新宿西口や新橋路上などで
「フランスからきたジョニーくんでーす」
「糸で吊ったりしてないよー」
などと売り込んだ疑いがもたれている。
こうした人身売買の現場を見た目撃者の話によれば
「ジョニーさんはぴょんぴょんと跳びはねては懸命に逃げようとしていたが、観客の中に紛れ込んだ鈴木容疑者の監視がきびしく、かなわなかったようだ」
という。さらには、坂村容疑者らはジョニーさんに「1,000円でーす」などと人間に付けるにはあまりにも安すぎる値付けをしていたとのことで、犯行の残忍さがうかがえる。
取り調べに対し容疑者は犯行を全面的に否認しているいっぽう、保護されたジョニーさんは拘禁反応のためか言葉を発せず、みじろぎもしない状態が続いている。捜査員は
「元通りぴょんぴょん跳びはねる元気を取り戻してもらうためにも、犯人追及に全力を尽くす」
と意気込みを語っていた。