茨城県土浦市のJR常磐線荒川沖駅周辺で23日起きた連続殺傷事件。逮捕された金川真大容疑者(24)は子ども時代、猟奇的な本に異常な執着を示していたことが弊紙の取材でわかった。これらの本の中では、殺人や強盗、老婆を生きたまま解剖するなど残虐なシーンが数多く描かれていた。識者は、幼少期にこうした書籍におぼれたことが犯行の背景にあるのではないかと指摘している。
弊紙が家族に取材したところ、同容疑者は3歳ごろから絵本に興味を示すようになり、しつこく「読んで読んで」とせがんでいたという。とりわけ好きだったのは
「赤ん坊が川に捨てられ、拾った養母に包丁で両断されそうになるというトラウマを抱えつつ、食べ物で釣って徒党を組み、島に隠れ住んでいた人々を虐殺して財宝をうばう」
という描写のある作品。なんど読んでも飽きず、寝床に入っても「お話しして」とせがむほどだった。
また、成長すると海外からわざわざ取り寄せた本も好んで読み、
「赤いスカーフをかぶった少女を老婆がレイプ。さらにその老婆を猟師が生きたまま解剖」
というおそろしいスプラッターものにハマっていた。保育園で同窓だったという男性は、「いつもニヤニヤ笑いながら、作中の人物になりきるかのように声に出して読んでいた。ぞっとした」と明かす。
福島章上智大学名誉教授(犯罪心理学)は、
「猟奇絵本が宝物だったのだろう。登場人物になりきるうちに、仮想と現実の垣根を越えてしまったのではないか」
と指摘する。昨今は“活字からの解放”がすすんでいるが、一部にはこうした猟奇絵本をすすんで子どもに与えるモンスターペアレントもいるという。第二・第三の金川容疑者を出さないためにも、お父さん・お母さんはわが子にもっとテレビを見せゲームもたっぷりプレイさせて、できるだけ本から引き離すことが必要なのではないか。