台湾の新しい総統に馬氏が就任することが22日決まった。大陸出身の同氏に対し、現地では財界を中心に「中国との融和がすすむ」と期待を寄せる向きが多い。いっぽうで「馬の就任はルールを無視したもの。順序がちがう」と猛烈に反発する声もあるようだ。馬新政権は船出そうそう難しい舵取りを迫られる可能性も出てきた。
馬氏の就任に猛烈に反発しているのは、直前まで本命と見られていた子氏を中心とする勢力だ。
「ありえない決定でチュウ。今年はボクの年だって決まってたはずでチュウ」
とヒゲをふるわせながら記者団に語る子氏。たしかに今年の干支はねずみ。順序から言えば、馬の登場は6年後の2014年まで待たねばならない計算だ。
「この順番は、きちんと神様の前で競争をして決めた神聖なもの。ないがしろにするとは許せないでチュウ」と怒る同氏。この番狂わせの背景に悪質な選挙妨害があったことも指摘する。総統選挙の公示期間中、子氏が立候補のために選挙管理委員会をたずねようとしたところ、事務所の周りにおおぜいの猫がたむろしており手続きができなかったというのだ。これが意図的なものだとすれば、民主主義とは名ばかりの不公正な選挙がおこなわれていたことになる。
子氏は選挙の無効確認とやり直しを選挙管理委員会に請求する予定だという。しかし、こうした子氏の態度には「見苦しい」と評価する声もある。
「そもそも子氏の順番にしても、ズルで手に入れたもの。バチが当たっただけなのではないかとおモウ」
と匿名希望の識者は語る。いずれにせよ、台湾ではしばらく不透明な政情が続くことになりそうだ。