防衛省(本部:市ヶ谷)は29日、サイドビジネスとしてタクシー事業に参入すると発表した。自衛隊が保有する持て余しぎみなヘリコプターを活用、“空のタクシー”で競合との差別化をはかる。
サービス名は「愛国エアタクシー」。全国に配備された陸海空各自衛隊のヘリコプターを活用することで、いざコトが起きれば日本国内どこへでも無線一本で駆け付ける。千葉県沖から都内市ヶ谷までわずか1時間弱でむすぶ足の速さも特徴。都合の悪い事故が起きたとき、関係者の口裏あわせをすばやくおこなうには重宝しそうだ。
防衛省側が「最大のウリ」とアピールするのが、ホスピタリティと個人情報保護への配慮だ。
「一回配車要請があったら、3機のヘリでお迎えにあがる。ぜいたく感を楽しんでもらいたい。もちろんご近所や野党に見つからないよう秘密裏に伺う」
という。ヘリ操縦士の勤務態度もまじめで、近くで海難事故があっても捜索を手伝って仕事をおろそかにするようなことはけしてない。
同省ではエアタクシー事業を、近年先細りぎみである“自衛隊員による大麻栽培事業”にかわる新たな収益の柱とするべく注力してゆく。初年度売り上げ見込みはおよそ400億円。収益の一部は「イージス艦衝突事故」で小指を負傷した恵まれない隊員の救済に充てられる。