国内最大のメガバンクである「おかあさん銀行」が年始の営業で多額の預金を集め、年末の時点に比べておよそ5億円の残高増となったことが、7日までに財務省の調べでわかった。いっぽうで同行は景況感の悪化や財政赤字などを理由に「利用者への利益還元は見送る」との方針を明らかにしており、庶民から批判を呼びそうだ。
おかあさん銀行が財務省に提出した報告書によれば、同行は元旦以降
「無駄遣いしないように預けないか」
「いま預けておけば大きくなったとき何倍にもなって返ってくる」
など手練手管を用い、なかば強引に預金を集める営業をおこなった。これが功を奏し、本支店の新規・既存口座あわせて預金残高は約5億円の増に。バブル期とは比較にならないものの、昨年同期に比べると4000万円多い好成績だ。
こうした好調ぶりに世間では「もっと利用者に利益を還元すべきだ」との指摘が出ている。都内に住む利用者のひとり・Tさん(10)は「去年預けたぶんと合わせてWii Fitにして返してほしい」と注文をつけるが、おかあさん銀行側は「ありえない」と否定する。
「先月はじめたダイエット食品をあと半年続けないと効果がでない。それまでは利益還元など夢のまた夢だ」
と言うのだ。監督官庁であるおとうさんも、最近夜のおつとめがご無沙汰なせいか指導の歯切れが悪い。
いっぽうでは同行の経営方針に早くも警鐘を鳴らす向きもある。米国の大手格付け機関チルドレン・アンド・プアーズは
「おかあさん銀行はデフォルト(債務不履行)を起こすおそれがある」
として、7日付けで「投資不適格」の格付け変更をおこなった。海外から“銀行失格”の烙印を押されたかっこうだ。放置すれば多くの子どもたちにトラウマを遺しかねないおかあさん銀行。早急な対策が必要ではないだろうか。