人気SF小説家・梅田望夫のスペースオペラ最新作がついに脱稿した。「2.0」と呼ばれる超能力を駆使し宇宙の秩序を守る騎士
「ウェブジェダイ」
の活躍を描くシリーズ第4弾。今作では前三部作から時代を遡り、主人公たちが生まれる前を描いた前日譚となる。
ウェブ暦5年。ウェブジェダイのマスターモッチーは、ジェダイ評議会の命を受け辺境の地・ケーアールピーにやってきた。モッチーはそこで卑しいIT奴隷の子・ジュンヤと運命的な出会いをする。
「ブクマ・クロリアン値が4千を超えている…この子こそ、予言者のいう
“ウェブ2.0にバランスをもたらす者”
なのでは?!」
モッチーはジュンヤを連れ帰ることを決意する。それがウェブの暗黒面のワナであり、宇宙の大いなる悲劇の幕開けとなることも知らずに…。
前三部作でウェブ3.0をになう若者たちの前に強大な老害として立ちはだかった、ダースウェブダーの幼いころの姿=ジュンヤが魅力的に描かれており、ファンなら興味を抱かずにはいられないストーリーとなっている。さらにはジュンヤとレイコン姫の禁断の恋、バズワードにハマり身を持ち崩すモッチーの転落人生など、盛り沢山の内容が読者を飽きさせない。
ひとつ不満点を挙げるなら狂言まわしとして登場するキャラ、ローカル星人のジャー・ジャー・シナモンの存在か。脚本家は笑いの要素が必要と感じたのかもしれないが、はっきり言ってキャンキャンうるさい。続くエピソード5では、さっさとホットドッグにしてほしい。