営業禁止処分を受け経営困難に陥っている「赤福」(本社:三重県伊勢市)に対し、業界大手の「あか太郎」(本社:岩手県)が救済を目的に買収・合併の名乗りをあげていることが、19日までにわかった。あか太郎側は
「食品衛生に関する価値観に共通するものがあり、シナジー効果を最大限に発揮できると見込んだ」
と説明している。
赤福については、売れ残りの赤福餅を回収・餅やあんをこねなおして再出荷していた実態が明らかとなり、三重県から無期限の営業禁止処分が出たばかり。今期業績見通しは大幅な下方修正を迫られており、事業継続も困難との見方がアナリストを中心に大勢を占めていた。
買収に名乗りをあげたあか太郎は、あかから生まれた社長のちから太郎氏が自分の出自にヒントを得て開発した団子「あか太郎だんご」で有名。同商品の販売のほか、最近では、社長が前職の鬼退治業時代に退治した鬼から巻き上げた財宝を元手に、積極的なM&A攻勢をかけていることでも知られている。いっぽう、週刊誌などによる報道では
「社長の両親が風呂に入っておらずくさい」
など影の部分もしばしば指摘される。
19日午前、あか太郎から派遣されてきた御堂コ太郎専務と話し合った赤福・浜田典保社長は、伊勢市の赤福本社前で記者団の質問に対し
「まだ決定したことは何もないが、赤福餅のブランドを維持するためにはいい話だとは思っている。前向きに検討したい」
と答えた。