インド洋給油活動などで国際的に評価を高めつつある自衛隊。さらなる独自の“戦力”として拡充を急ぎつつあるのが
「紛失特務隊」
だ。陸海空のみならず異業種からもその道のエキスパートをスカウトし、必要なものを必要なときに紛失できる“プロのうっかりさん”を育てている。厳しいと噂される同隊の訓練風景を取材した。
「メガネメガネ、メガネメガネ…」
自衛隊市ヶ谷駐屯地。青空の下、額にメガネをのせた青年たちが必死でメガネを探している。紛失特務隊の新入隊員だ。うっかり度を高めるため日々厳しい訓練を続けているのだ。「つらいのは確かですが、いざというとき国を守るためですからね。やりがいはあります」と語るのはA三尉(仮名)。
紛失特務隊は、国家機密や政府に都合の悪いことを秘匿するために活動する特殊部隊。現在はまだ日本の自衛隊にしかないが、インド洋給油活動中の補給艦「とわだ」の航泊日誌をうっかり紛失するなど、はなばなしい活躍ぶりで世界的に注目を集めている。上層部も育成に力を入れており、各界のうっかりさんを積極的にスカウトして拡充をはかる。先のA三尉も「Yahoo!メールをうっかり消してしまった」という実績をかわれソフトバンクBBから転職してきた異色の経歴の持ち主だ。
同隊の効能には政府も熱い視線を送っている。うっかり忘れるというスキルを、選挙公約や憲法、政治倫理にも応用できないか─というのだ。与党を中心に「党顧問として派遣してもらいたい」という引き合いが相次いでいるとのこと。また、民間企業でも除隊したOBに有用な人材として期待する向きがあるという。戦後レジームを超え、自衛隊が新たな価値を創造する時代がはじまろうとしているようだ。
【編集部注】
この記事にはバッコンバッコン笑えておまけにためになるオチが用意されていましたが、紛失特務隊員に原稿を預けたところうっかり破棄されてしまいました。ご了承ください。