お盆休みを実家などで過ごした故人のUターンラッシュが、13日からはじまった。三途川の此岸では、はやくも混雑しているところが見られる。ラッシュのピークは16日の夜になる予定。
株式会社三瀬郵船(社長:奪衣婆氏)によると、13日朝から混雑が目立つようになり、昼ごろには渡し船の乗船率が90%に達したとのこと。本来は16日の送り火であの世に帰るのがならわしだが、このところ
「実家に帰ってもきちんと供養してもらえなくてヒマだ」
という霊が増え、早めに彼岸に渡るケースが多くなっているという。同社は「早めにUターンする霊は、だいたい運賃の六文銭を持たせてもらえずに乗ってくる。無賃乗船者は着衣を奪って丸裸にするきまりなので気をつけて欲しい」と話す。
いっぽう、一昨年の外資参入規制緩和で三途川に就航したカロンエクスプレス社(社長:カロン・エレボス氏)は、
「弊社の渡し賃は1オボロスと他社より安い。6回乗っても1ドラクマ。16日の予約にも比較的空席がある。Uターンの人だけでなく、これから死ぬ人にもぜひ利用してほしい」
とアピールしている。