「眠れないと称しては夜中に強制連行され、苦役を強いられた」─ふわふわ羊毛の羊さんたち20匹が1日、強制労働に対する賠償と監督責任不履行の謝罪を求め、国を相手どり東京地裁に訴え出た。4本足の動物による国家賠償請求はきわめてめずらしい。
原告側弁護団代表のメリー弁護士によると、訴訟の最大の争点は「“眠れない夜には羊を跳ねさせ数を数えれば眠れる”とのデマを流し、放置した」という国の監督責任。
「英語圏では“sheep”→“sleep”のダジャレから眠りを誘うが、日本人にはまったく効果がないというのが学会の定説。国はこうした報告を把握していたにも関わらず必要な措置を怠った」
という。この結果、わかっているだけで30万匹の羊が不眠症の日本人宅に駆り出され無意味な強制労働に従事させられた。中にはジンギスカン料理店に捕まり帰らぬ羊となった者もいるという。
同弁護士は「真実を伝えないことは不眠に悩む人々にとっても症状を悪化させる可能性があり、不幸。ドリエルや睡眠導入剤の適切な服用を勧めるうえでも、この訴訟は重要だ」と話している。
いっぽう、安倍総理は2日の記者会見で
「(羊たちは)強制ではなく、メエメエの自発的な意志で従事していたと聞いている。狭義の強制があったことを示す証拠はない」
と反論。全面的に争う姿勢を示している。