23日東京穀物商品取引所のゴマ先物価格は、前日比6,000円高の4万6千円台で引け、取引開始以来の高値となった。安倍首相が4月下旬に訪米する予定を明らかにしたことを受けたもので、ゴマの需要が大幅に増えると見込んだ機関投資家らが買いに走ったとみられる。
同日午前中には一時4万8千円台を記録したが、けっきょく取引が成立せず。午後に入って落ち着きを取り戻す値動きのなか大引けは4万6千円台となった。関係者は、
「ゴマしゃぶ需要が手堅い鍋物の季節を除くと、これだけの高騰ぶりは異例中の異例」
と語る。
安倍首相の訪米では、ブッシュ大統領への謁見に伴い大量のゴマが消費されることが見込まれている。傀儡国家としてしかたのないこととしても、一般のゴマ需要家のあいだでは「ほどほどにしてくれないとウチの社長にするぶんがなくなる…」と不安視する声もささやかれている。
いっぽう東京・かっぱ橋では、価格上昇を見込んだ金物屋がすりこぎ・すりばちを売り惜しみ、店頭から隠す動きがみられた。通常2,000円前後のセットに
「1万円~。応交渉」
との値札を掲げる店もあり、訪れていた産経新聞の記者も「政府・与党向けにどうしても使いたいのに…」と困り果てていた。