従四位上左近衛権少将の吉良義央さん(通称・吉良上野介)が、自殺していたことが4日までにわかった。遺体のそばから遺書が見つかっており、警察ではいじめ苦の自殺と見ている。
同日未明、吉良さんが都内の自宅で首を吊っているのを家人が発見。119番通報したものの病院についたときにはすでに息をひきとっていた。吉良さんは生前「高家肝煎」で知られ、風流人として高い評価を受けていた人物。
遺書には自筆で
「年の瀬を迎えるたびに
“討ち入りごっこ”
と称してみんなにいじめられ、疲れた」
と書かれていたとのこと。家人も「とつぜん炭俵の中に隠れてふさぎ込むなど、大晦日が近づいた最近は特に悩んでいる様子だった」としており、警察では「いじめを苦にした自殺に間違いない」と見ている。
自殺の報を受け、吉良さんの同僚の大石内蔵助さんは午後に京都・太秦映画村で緊急の記者会見を開き、
「自殺の兆候はなかった。仇討ちはあったがいじめととられるような行為についてはわからない。部下の四十七士にもよく聴取して確認する」
と語った。現在、NHKおよび民放各テレビ局では、忠臣蔵関連番組収録の際に吉良さんをいじめた事実がなかったか確認作業が行われている。