産経新聞は、全国に蔓延し日本の国家財政赤字の原因となっている
「給食費滞納者」
を撲滅し、美しい国づくりを推進するキャンペーンを展開する。紙面で関連記事の集中連載を行い、給食費完納の実現とあわよくば部数拡張を呼びかけるねらいだ。
同紙によれば、給食費を滞納する有就学児世帯数は不況の長期化と無関係にモラルや人間力の低下にともなって激増。無駄な公共投資と無関係に単独で各地方公共団体や国の財政を圧迫している。給食費を払わない保護者は、
- 月3,000円の給食費を払わず、浮いたお金で月数万円の携帯電話代を支払う
- 月3,000円の給食費を払わず、浮いたお金で高級外車を買う
など数学的に不可解な財テクを駆使して豪奢を誇っているはずで、かなりうらやましいという。
全国の給食費滞納者数分布は、なぜか失業率とほぼリンクしており、生活保護を受ける世帯が多い地域ほど滞納率が高いふしぎな傾向も見られるという。産経新聞では、
「原因は滞納者が発散する“負の人間力”。この波動エネルギーがこれら地域の財政を悪化させている」
と、鼻息も荒く因果関係を力説する。
滞納者の存在による財政赤字は深刻だ。日本の国内向け借金に相当する昨年度新規国債発行額は30兆円にものぼる。単純計算で
「1年間に8億3千万人の滞納者がいた」
と同紙はみる。「日本橋上空を走る高速道路2km区間を地下化するために、6千億円必要なのに…」と関係者は歯がみする。
産経新聞では、これら8億人の掃討を達成するまでキャンペーン記事の掲載を続ける予定。「スケープゴートを仕立てるとワーキングプア層にウケる。特に、中学生クラスのメディアリテラシーをもつ読者の心をわしづかみにできる」と、部数拡張にも期待を寄せる。東京本社版部数97万部から一気に飛躍し、東京新聞をなんとか視界外に追い出せるか。運命は給食費にかかっている。