8月の最終週に入って以来、
「小学生の孫をもつ高齢者」
の突然死する事例が急速に増えていることが、文部科学省の調べでわかった。同省が29日までにまとめた統計であきらかになったもの。目下のところ原因は不明。政府では全国のおじいちゃん・おばあちゃんに「死なないように」と呼びかけている。
同統計は今週に入ってから全国の小学校に寄せられた「忌引届け」をまとめたもの。これによると
「祖父母が亡くなったので休みます」
との届けが急激に増えており、ここ2日間で2万件を超える異常事態となっているという。政府は「人口動態に影響が出る可能性もある」と危機感を募らせるいっぽう、親族を亡くした子どもたちのこころのケアにつとめたい意向だ。
都内の小学校に通うたかしくん(11さい)も、今回の「高齢者連続死亡事件」で不幸に見舞われたひとり。担任の先生によると、28日の朝にたかしくんから
「おじいちゃんが亡くなったのでしばらく学校を休みたい」
との電話があったという。担任が「お気の毒に。でも、祖父の場合の忌引規定は2日間だから2学期には間に合うね!」とはげましたところ、午後になって再び
「おばあちゃんとおかあさんも亡くなったので、2学期には間に合わない」
と連絡が。わずかな期間に3人もの家族を亡くしたたかしくんの悲しみを思い、担任は「もう宿題はいいから」と涙ながらに告げたという。
いっぽう、厚生労働省側は「死亡届の提出数に特に目立った変化はない」としており、文科省が得た情報にキャッチアップできていない。縦割り行政の悪弊がくっきりと浮かび上がったかっこうだ。なお、未確認ながら「児童が死んだと言っていたおじいちゃんが街を歩いているのを見た」などの“生き返り”事例が何件が報告されており、事実だとすれば
「孫を思う祖父母のこころが死をも乗り越えた」
という新たな美談も楽しめそうだ。