一兆円企業の呼び名を欲しいままにし、日本経済を牽引し続ける巨人・トヨタ。アメリカでも評価された同社の“セクハラ力”(せくはらりょく)の源はどこにあるのか。奥田氏ら三巨頭へのインタビューを通じて強さの秘密を明らかにする気鋭の書。エロいオヤジ人材をつぎつぎ輩出する、同社の団塊世代についても検証している。
女性の社会進出が進んだ現在、高度成長期とおなじようなセクハラを続けるには不断の努力が欠かせない。また、お笑いブームに伴い世間の“オヤジギャグ”に対する視線が厳しくなってきたこともオヤジたちのエロさを失わせる原因となっている。本書では、トヨタがセクハラ力維持のため水面下で続けている努力を、7つの視点から紹介する。
なかでも衝撃的なのは、トヨタが展開している管理職向けプログラムの「かんばん方式トレーニング」。終業後、係長以上の社員はすべて特殊施設に集められ、この訓練を受けているという。会場では、かんばんで
「肉まん」
などのお題が次々と繰り出される。三分以内にお題に沿った下ネタオヤジギャグを発表しなければ左遷されるというから恐ろしい。
2007年問題が取りざたされている。今後、日本企業のセクハラ力は確実に試練にさらされることになる。グローバルな市場競争に生き残り、次代のエロを模索するビジネスマンにとって本書は必携の一冊だ。