大手回転すしチェーンの「無添くら寿司」を運営する株式会社くらコーポレーションが、新卒採用内定した大学生らに異常な早口言葉を言わせるなど過酷な研修をおこない、内定を辞退するよう強制した疑惑がもたれている問題で、同社は4日までに会見をおこない
「寿司の原点である江戸前を体現するには、必須の研修だった」
と反論した。くらの寿司にかける熱い情熱が、あらためて消費者の心を打つことになりそうだ。
一部テレビ報道によれば、最近業績が急激に悪化した同社は採用内定を出した新卒予定大学生らを研修所に閉じ込め、「すもももももももものうち」「東京特許許可局」「隣の客は塀建て替えたってね。へー」などの早口言葉をひたすら言わせ、うまく言えない学生には執拗に罵声を浴びせて自発的に内定辞退届を書くよう追い込んだとの疑惑がもたれている。
これに対してくら側は、
「われわれがお客さまに提供しているものは寿司という“文化”。仕事としてやっていくには原点である江戸前、つまり“べらんめえで早口をまくしたてる”江戸っ子の精神が必須だ」
と、あくまで顧客満足度向上のための正当な研修であったことを強調している。寿司が文化であることは日本人なら異論を差し挟む余地のない事実であり、今回の件ではくら側に軍配が上がることになりそうだ。
くら本社のある大阪府堺市で会見に臨んだ社長の田中邦彦氏は
「もうかりまっか? いやー、ぼちぼちでんな。ほなそろそろおひらきにしまひょか。ほら、この時間に商売してたら(パチパチ)こないに儲かるんでっせ。ほな、おおきに」
と、あくまで真摯な態度で記者たちに説明していた。