インターネットのドメイン名を管理するICANNの新方針により、早ければ来年にも企業・団体などが自由な文字列のトップレベルドメイン(gTLD)を運営できる新体制がはじまる。大手企業のキヤノン(本社:東京都)は16日、早くも「.canonを取得する」方針を発表したが、これに思わぬところから異議の声があがり業界関係者を驚かせている。事と次第によっては新gTLDの活発な運用に水を差す事態ともなりそうだ。
キヤノンの.canon取得に異議を唱えたのは、住所不定・無職の観音菩薩さま(梵名:アヴァローキテーシュヴァラ)。ICANN宛の公開真言のかたちで発表された声明によると、
「キヤノンによる.canon運用は、観音である私が先行利用してきた商標権を侵害するもので到底認められない」
と主張している。
観音さまによると「カンノン」としての標示は少なくとも四千年以上前から使用しており、
「たかだか1937年創業の新興企業ごときにゆずるわけにはいかない」
と立腹だ。「ICANNは、こんな申請を認めてはイカン。キヤノンの関係者もみな地獄に落とす」と、このままキヤノンによるgTLD取得があれば仏罰が下ることを示唆しているとのこと。
これに対してキヤノン広報部は「真言が届いていないのでよくわからない」としながらも、
「弊社の“キヤノン”が観音から来ているというのは俗説。創立者が愛してやまなかった“女性器が開いたようす”が語源であり、分類が異なるため商標侵害にはあたらない」
と反論している。今後の動きから目が離せそうにない。