栃木県は28日、日光いろは坂から男体山一帯に大型レールガン施設の構築を完了。県内外の報道陣にお披露目をおこなった。同施設は隣接する茨城県の保有する「移動型レールガン」に対抗するもので、県軍広報部は
「栃茨間の軍事的パワーバランスを正常化するためのもの」
と説明。先制攻撃の意図を否定している。
コードネーム「らいさま」で呼ばれるこの大型レールガン本体は、男体山山頂に設営されたもの。県北部の発電能力総計1.21ジゴワットを集め、日光市馬返から中禅寺湖への第二いろは坂上に建設した大型変電施設を経て電力が供給されるしくみ。いざ県総司令部から
「撃つっぺや!」
の号令あらば、いつでも茨城県内の任意の納豆工場を撃滅できるという。
「らいさま」の開発がはじまったきっかけは、県外で情報収集をおこなう諜報員からのしらせだった。
「茨城が学園都市に“移動型レールガン”を保有している」
というのだ。しかもコミックスやアニメなどでさらに詳細を調べた結果、攻撃能力はレベル5でいつでも栃木の美しい都市を狙って焦土化できる破壊能力があることもわかった。事態を重く見た県軍上層部では、宇都宮大学などの英知を結集。大型レールガンの開発を急ピッチで推進した。
苦労のかいあって完成した「らいさま」だが、軍の懸念は払拭されないままだ。先の諜報員の報告によると
「学園都市は他にも大量破壊兵器を配備している」
というからだ。「わが県と茨城が一触即発の関係にあることを考えれば、パワーバランスを保つために軍備開発競争には応ぜざるをえない。だが、均衡が破れれば即戦争というリスクも高くなる…」と悩む上層部。果たして今後の栃茨関係はどうなってしまうのか。注意深く見守る必要がありそうだ。