「オブジェクト指向の次は
アスベスト指向」
これが本書の訴えるテーマである。アスベスト指向プログラミング…名前だけは聞いたことがあるが、実態はなかなか…という諸兄も多いはずだ。本書はそんな初心者にむけ、国内初の網羅的入門書として上梓された注目の一冊である。
アスベスト指向とは、ソフトウェアの生産性を大幅に向上させる新概念である。そのポイントは
成果物の随所にアスベストをしのばせる
一点に尽きる。発がん性のあるアスベストを関係者にさりげなく吸引させ、あいまいな仕様書を書くプロジェクトマネージャや、わからずやのクライアントを悪性中皮腫で死にいたらしめる。これがアスベスト指向の極意である。
本書では、アスベストで目障りな関係者を“消す”方法、およびデスマーチ化した開発プロジェクトを止める方法、あわよくば納品後の不具合発覚を揉み消す方法を体系的に解説する。アスベストの入手方法・管理のしかたはもちろん、初心者がつまづきがちな「良心の呵責」に耐える方法もとりあげており、読者の視点に立った編集方針は好感がもてる。
半可通の識者のあいだでは、
・アスベスト志向はなんでも解決する銀の弾丸ではない
・デスマーチ化すればどのみちみんな過労死する
として効果を疑問視する声もあがっている。しかし、非正規雇用・二重派遣・違法残業が常態化するこのIT業界では、アスベスト指向でしか解決できない問題も多々あるはずである。ひとつの選択肢として検討する土台づくりに、この書籍は必ず役立ってくれることだろう。ただ、アスベスト指向の問題点である「結果が出るまでに数十年かかる」面について、ひとことも触れていないのが気になった。
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