米Googleは10日、新たなプログラミング言語「Go」を発表した。GoはかつてUNIXを生んだKen Thompson氏らのチームにより開発され、オープンソースプロダクトとして公開される。特徴は
「従来のプログラミング言語の2倍の効率でスパゲティコードを生成できる」
という点。Googleの担当者は「プログラミングの進歩を加速するエポックメイキングな言語」と語っている。
プログラミングにおいては、条件に応じた分岐などで指定処理位置までジャンプする「GOTO文」が重要な位置を占める。いっぽうで、こうしたGOTO文の多用は「4文字も打つのはめんどくさい」という負の側面もある。高名な計算機科学者のエドガー・ダイクストラ氏が「GOTO is harmful」と批判したことでおなじみだ。新言語のGoでは、文字通り
「“GOTO”を“GO”と書ける」
大がかりな改良が加えられている。タイプしなければならない文字数が4文字から2文字に減ったため、生産効率は単純計算で2倍となる。実際に、Googleが日本のブラックIT企業にGoの開発環境を与えて新卒にプログラムさせたところ、当社比2倍のスパゲティコードを量産できたという。
またGoは標準ライブラリ(パッケージ)が豊富で、オーディオやビジュアルに関する多くの機能をすぐに利用できるのも特徴。オーディオパッケージの
「go/hiromi」
は、単純にimportするだけで渋谷ハチ公前をジャックし「♪アチチアチ」と歌い出すことができる。さらに、ビジュアルパッケージの
「go/nagai」
は、ハレンチな学園や男のロマン的巨大ロボットなどを自由に描くことができる。しかし、現バージョンでは「ライフワークの長編がいつまでも完結しない」というバグがあるとのことで改善が待たれる。
Googleはプレスリリース中で、
「Goをコミュニティに提供することで、コンピューティングの世界に“質より量”の生産性向上をもたらしたい」
と抱負を述べている。今後の開発者たちによるGoの活用に期待したい。