日教組の跳梁跋扈、モンスターペアレントの急増などで崩壊が指摘される教育現場。そんな社会情勢にあっても独自のモットーで熱心に教育に打ち込む高校の存在が明らかになり、賞賛を集めている。
「目に見えない“霊”にも授業をおこなう」
方針を掲げる埼玉県杉戸町の私立昌平高校だ。
一般的に霊は、霊能者以外には目に見えづらいほかウィジャ板などを使わないとコミュニケーションが取れないため、高等教育を受けたくても受けられないという悲惨な状態が続いていた。昨年6月から昌平高校の経営に携わっている栄光ゼミナールはこの事態を重く見て改善に着手。霊感のある一部教員を担当に任命し、
「霊向け授業」
をおこなうようになったという。
取材のため同校を訪問したのは草木も眠る丑三つ時。ベテラン教師の今村寛教諭(49)が、誰もいないように見える深夜の教室で教鞭をとり「授業を始めます」と号令をかける。そこかしこでラップ音が鳴り響く。今夜の授業は古文。「源氏物語」から六条御息所の一節を現代語訳するというものだ。今村先生の流麗な読み解きに感極まったのか、生徒たちの中には思わずエクトプラズムを垂れ流す者もあった。
効果は上々で、こうした授業のバックアップを受けた霊の中にはみごと卒業単位を取得して大学進学を果たした例もあるとか。目下の問題は、生徒の中に素行のよくない怨霊も混じりがちで、先生に憑依してたまに呪い殺してしまうこと。霊格の高い副教頭らが授業を見守り、イザというときには外道照身霊波光線を発して守るようにはしているが
「この2年で75名もの教職員が犠牲になってしまっている」
という。みずからの命を顧みず、迷える死霊たちを導こうとする昌平高校の経営方針に、悪しき戦後教育から再生への一筋の光を見た気がした。