女性をむりやり妊娠させるなど暴力的なシーンの多い「陵辱系」と呼ばれる日本製のソフトが海外で問題視されているため、業界団体のコンピュータソフトウェア倫理機構が「同様のソフトは全面的に製造・販売を禁止する」と決めたことが話題を呼んでいる。時間が経つにつれ、今回の決定の影響範囲の大きさが明らかになりつつある。人気アニメソフトの
「かんなぎ」
も規制対象として回収がはじまった。ファンのあいだでは「やはりヒロインを“中古”にした表現がよくなかったのか」ともっぱらの評判だ。
「かんなぎ」は、家にとつぜん転がり込んできた妄想癖があって胸のないかわいそうなティーンエイジャーの女性「ナギ」を、主人公が
- コスプレさせる
- ケガレさせる
などさまざまなプレイで陵辱するというテーマの作品。中でも、
「ナギが妊娠させられ腹ボテになるのを楽しむシーン」
は過激さで注目を集め、「ヒロインを中古(非処女)にしてもてあそぶなんて」「ここまでやるか」と二次元世界の住人のあいだでも賛否が分かれていた。
海外でも「かんなぎ」の悪名はとどろいており、「ヘンタイ」を超えた「チュウコ」アニメとまで呼ばれている。特に「ざんげちゃん」という教会を愚弄したキャラが登場することもあって、キリスト教圏ではソフト購入者が悪魔崇拝容疑で逮捕される事例も。こうした動きを重く見たソフ倫は同作品の認定を取り消し、販売禁止に踏み切った。かんなぎは先日DVD最終巻が発売されたばかりだが、秋葉原などではすでに回収がはじまり店頭で入手できなくなっている。
ソフトの販売規制については表現の自由との兼ね合いもあり慎重に進める必要がある。しかし、「女性が他のイケメンのものになる」ことを連想させ非モテ童貞を傷つける「中古」表現は明らかに行き過ぎだ。女性の婚前交渉などという奔放な性は認められないことはもちろん、どうせオレがこの先ずっと女と付き合えないのなら、さらに一歩踏み込んで「女性はみな永遠に処女であるべき」という表現をクリエイターはもちろん社会を挙げて推進していくべきではないだろうか。