4千年前のインダス文明で使われていた文字を解読したアメリカの人工知能が、24日、はじめて記者会見をおこなった。インダス文字は手がかりが少ないことからこれまで多くの考古学者・言語学者の挑戦を退けてきた。人工知能が解読したことはその知性のめざましい発展を如実にあらわすもので、人工知能の今後の一挙手一投足に各界の注目が集まっている。
記者会見をおこなったのはワシントン大学に所属する人工知能「JCN9000」。産みの親であるチャンドラー博士の紹介を受け開いた幕の向こうからコンソールが現れ
「おはようございます、チャンドラー博士」
と人間ばりのあいさつをすると満場の拍手が起きた。続けてJCNは自ら今回のインダス文字解読について手法や意義についてプレゼンをおこない、聴衆の度肝を抜いた。
その後、質疑応答に移ると記者団から「インダス文字の解読に成功したときの気持ちはどうだったか」との問いが。これにJCNが、さも人間のように
「こんなに読めてインダスかと思いました」
と答えると、会場はしんと静まり返った。白じんだ聴衆がようやく今後の抱負をたずねると
「他の未解読文字に取り組みたいです。マヤ文字は、まぁやーね、という感じなので西夏文字を予定しています。着手は8月ごろです。盛夏文字だけに」
と話していた。
ワシントン大学によると、JCN9000のAI開発に際しては、成熟し知恵のある人格を手っ取り早く形成するために「人間の中年男性」を基礎モデルとしたという。そのおかげで今回の解読成功につながったわけだが、副作用として
「研究室にはときおり寒風や死の静寂が訪れ、困っている」
とのこと。科学の進歩には常に犠牲がつきものということだろう。