障害者向け郵便割引制度を悪用し、企業のダイレクトメールを不正に送付していたとの疑いで逮捕されていた関係者らが、18日までに全員起訴見送りとなり釈放されていたことがわかった。大阪地検特捜部の話では、
「容疑者が全員障害者であることが確認されたため」
摘発対象とならないことがわかったことによるものとのこと。
この事件では大手家電量販店のベスト電器や広告代理店大手・博報堂の関連会社、および印刷・通販大手ウイルコなど、障害者団体「白山会」を名乗ってDMを送付した複数企業の社員が郵便法違反容疑で逮捕されていた。しかし、その後の医師による鑑定の結果、いずれの容疑者も
「守銭奴症候群」
を患う障害者であることが判明。割引の正当な適用対象となるため立件は見送られることとなった。
守銭奴症候群は日本の精神科医・尾崎紅葉博士が発見した心の病。わずかな金に目がくらみ人として大事なものを見失うという奇病だ。一般的な精神疾患と異なり、器質的異常やストレスなどの原因なしに発症し、統合失調症ですら服薬で抑えられるこの時代に治療法がまったく見つかっていないことから国指定難病となっており、患者は無条件で他の心身障害者とは異なる「特級障害者」と認定される。
大阪地検では、
「たかがダイレクトメールの送料をケチろうとか発想が障害のない人やある人の範疇では考えられないとは思っていたが、まさか特級障害者だったとは。誤認逮捕を深く陳謝したい」
と話している。なお、特級障害者は「特級障害者保護法」に基づき瀬戸内海に浮かぶ孤島の療養所に断種手術のうえ終生隔離され、大事に見守られる予定。障害者に優しいバリアフリー国家・日本らしく、元容疑者のみなさんへの手厚い保護が求められそうだ。