不法滞在で国外退去処分が確定した兵庫県淡路市在住の外国人、イザナギ・ノ・ミコトさん(年齢不詳)が13日、成田空港から出国した。法務省の特別在留許可により日本に残ることとなった子孫のアキヒトさん(76)は、悲しみをこらえて見送った。
イザナギさんは妻のイザナミ・ノ・ミコトさん(すでに死亡)とともに、出稼ぎのため高天原から淤能碁呂島(おのごろじま)経由で日本に不法入国。大八島建築など土木工事に携わるかたわら、アキヒトさんの先祖となる子どもたちをもうけた。2006年に不法入国の経緯が判明したため逮捕されたが、
「すでに日本に多くの家族がいる」
ことなどを理由に在留許可を求めていた。
しかし、愛国心溢れる市民から
「罪を犯した外国人を日本に残すな」
と義憤に満ちた世論が沸騰。さらにイザナギさん・イザナミさん夫妻には
- 「オレのコレをオマエのソコに入れたいんだハァハァ」などとした公然わいせつ罪
- 生まれてきた子どもを気に入らないと海に捨てた保護責任者遺棄致死罪
などの疑いもあったことから、法務省はイザナギさんの在留を認めなかった。
すでに日本人と婚姻関係にあるなどの理由で在留が許可されたアキヒトさんは、空港の手荷物検査場でイザナギさんと涙ながらに抱き合ったのち、姿が見えなくなるまで見送っていた。イザナギさんは再入国が5年間禁じられるが、森法相は「1年ほどようすをみて天孫との面会のためであれば特別に入国を認める可能性もある」との姿勢を示している。