千葉県知事選で無所属をうたって当選しながら、実は自民党支部長だったのではないかとの疑惑がもたれている森田健作氏(59)。「無所属だと信じていたのに」「票を返せ」と県民の怒りがくすぶるなか、森田氏が新たな動きを見せた。
「私はどんな勢力にも所属していない。その証拠に日本国籍すらもっていない」
と、新たな証拠を公開する緊急記者会見を開いたのだ。
6日午後、都内浦安市のホテルで記者たちの前に姿を現した森田氏は、沈痛な面持ちで「疑念をもたれるような素行があったことは大変申し訳なく思っている」と開口一番謝罪。「しかし“完全無所属”はまぎれもない真実だ。きょうはそれを証明する大切な品をもってきた」と、懐から取り出して掲げたのは古びた数珠であった。記者たちが手にとって確認すると、一部にタイ文字が刻まれていた。
「それは母が私を連れ日本にやってきた際、肌身離さず身につけていた形見なのです」
と目を潤ませる森田氏。
説明によると、森田氏の本名はワランチャーイ・シャムチャイ。第二次大戦終結の混乱期にタイで生まれた生粋のタイ人だという。その後、平和を求めて母子ふたりで密航。日本にたどり着いて以来、森田姓を名乗り日本人として暮らしてきたという。そのためタイはもちろん日本国籍ももたない
「真の無所属」
なのだとのこと。「国籍もなく虐げられてきた私が、果たして民族差別主義者の巣窟である自民党などに所属できるでしょうか。ありえない」と嗚咽しながら訴える氏に、記者一同もらい泣きしながらうんうんとうなずいていた。
総務省によると、確かに森田氏の国籍は記録になく主張どおりの可能性が高いという。しかし、タイからの密航者が名を成し一県のあるじになるとは、まさに森田氏の言うとおり
「やってみなけりゃわかんねえよ」
「細かいこと言ってんじゃないよ」
を地でゆくサクセスストーリー。今後、長きにわたって語り継がれるのは間違いなさそうだ。