PHP Development Teamは26日、スクリプト言語「PHP 5.4.0」のRC1版を公開した。5.4では、将来のメジャーアップグレードを見据えつつ多数の新機能を搭載。また、既存機能の見直しをおこない、これまで足りなかった要素を追加した。PHPは5.3でgoto文を取り入れるなど野心的な改善が試みられてきたが、これでさらにスクリプト言語としての完成度が高まり便利になった。
5.4に追加された機能でもっとも特筆すべきは、やはり
「行番号」
への対応だろう。ステートメント行ごとに
10 echo “あいうえお”;
20 goto 10;
のように番号ラベルを付け、順番に実行させることが可能になった。goto文と組み合わせることで無意味な無限ループを実装しやすいのが利点だ。また、番号は10単位でつけておくと、あとからあいだに新たな行を挿入できるので覚えておくとよいだろう。
さらに、EclipseのようなこじゃれたIDEを使うリテラシのないブラック企業環境向けに、開発やデバッグに便利な
「スクリーンエディット機能」
が追加された。PHPインタプリタをスクリーンエディットモードで立ち上げると、直接コーディングができる(この際、行番号の付与は必須となるので注意)。打ち込んだプログラムは「LIST」コマンドで気軽に閲覧できるほか、「RUN」コマンド一発で実行も可能だ。
さらに、中核となるZend Engineにも大幅な見直しがはかられ、プログラムの最初で
DEFINT A-Z
プラグマを宣言すると、数値演算が整数限定モードとなり動作速度が3倍になるという。遅いWebアプリケーションに悩んでいる開発者には朗報と言えそうだ。新しいPHPの登場に、コンピュータ科学者のエドガー・ダイクストラさんは
「プログラミングに新たなパラダイムシフトをもたらすものだ。新しいPHPで開発者の生産性は何倍にも上がり、毎晩家に帰って心あたたかな生活を送れるようになるだろう。goto is heartful」
とコメントしている。