ネット副業の一手段として人気を集めている「アフィリエイト」。しかし、利用者の急増で月あたり収益は0~数千円程度と頭打ち状態なのが現実。そこで“次世代ネット副業”として注目されているのが「パシリエイト」だ。
「焼きそばパン2個。大至急な」
都内杉並区に住む吉田一郎さん(仮名・34歳)に電子メールが届く。吉田さんは500円硬貨を握ると、近所のパン屋へ猛ダッシュした。
「早く対応しないと何されるかわかりませんからね」
卑屈な笑みを浮かべながら吉田さんは語る。
吉田さんがパシリエイトをはじめたのは中学校に入学したころから。クラスメイトや先生などから注文を受けた品を、代金を立て替えて買ってくるのがこのビジネスの基本的なしくみだ。通常、学校を卒業すると顧客が離れてしまうこの世界だが、吉田さんは腰の低さが評判となりいちどつかんだ顧客をつかみ続けることに成功した。
パシリエイトはメールアカウントと身一つあれば誰でも始められるのが特徴。総務省は「全国のパシリエイト人口は1万人程度では?」と推定する。ニーズに比べてまだまだ供給が少なく、今が参入のチャンスだ。
アフィリエイトに比べて売り上げが多いのも魅力
と総務省担当者は語る。
唯一の欠点は利益をあげる方法がまだ確立されていない点だが、吉田さんは「ネット企業はどこも同じ。継続こそ力」と力説している。