ブログ界、ひいては電脳世界のオピニオンリーダーと目される至高の存在「アルファブロガー」。アルファブロガー・アワードで栄冠に輝いた者は、世界の尊敬と羨望を一身に受け輝く。毎年AMNらが主催しているこのコンテスト、今年は趣向を変えて記事単位でのノミネート・投票形式でおこなわれることになったという。そこで弊紙bogusnews編集主幹も、2008年を代表する至高のエントリを一本選んでみた。その一本がコレだ。
「上地雄輔」という人物のブログがアクセス数において世界一であることが、あのギネスブックに認定された─そんな事実を真っ先に伝えたこのブログ記事こそ、2008年のインターネットにおいてもっとも衝撃を与えたエントリだったことは疑う余地がない。それはなぜか。
初めてこのエントリを読んだbogusnews編集主幹は愕然とした。
「上地雄輔? ダレ? それ?」
アルファブロガーたる主幹はテレビなどという前世紀のマスメディアは(受信料徴収員が怖いので)見ておらず知らなかったが、調べてみるといま大人気のタレントらしい。バラエティ番組には引っ張りだこ、さらに「羞恥心」という名のユニットでCDを出し大ヒットさせているとか。かなりの大もうけをしたことだろう。しかも年末の「紅白歌合戦」に出場する栄誉にまで輝いたというから、もはや国民的英雄と言っても過言ではない。ルックスもいいから、渋谷あたりを歩けば女性に囲まれてパニックが起こること間違いない。
いっぽうの主幹はと言えば、アルファブロガーに認定されたにもかかわらず、昨年はなにもいいことがなかった。まさに「名ばかりアルファブロガー」。受賞しても賞金などは得られず、逆に「アワード2008の投票を早くしてくださいよ」などと徳力なんとかとかいう人からしつこくメールが来て時間外労働させられる。女性からの求婚が増えるかと思えばこれもなく、たまにあったかと思えば金の無心だけして音信不通。さらには悪徳雑誌「ねとらん」からはいまだ3万円が送られてこない。羞恥心の強さだけは上地に負けないのだが…。
この二者の違いは非常に興味深い。2007年までのアルファブロガーといえば、
- 異性との付き合いを捨てる
- 同性からも疎ましがられる世捨て人
- 毎夜遅くまでパソコンに向かい、多くの人にとってどうでもいい理屈をねちねちとこねくりまわしてブログに書く
- しかもカネがない
というのがふつうだった。アクセスの多いブログも、こういったルサンチマンにあふれたものが多かった。だが、2008年以降のアルファブロガーは違う。今後のブログ界・電脳世界を引っ張っていく者は、まったく正反対の上地雄輔のような人物なのだ。それを如実にあらわしたのが、彼のブログが“世界の”ギネスブックに評価されたことであろう。その意味で今回推薦するエントリは、アルファブロガーの在り方が変わったひとつの巨大なターニングポイントとして歴史に刻まれるべきなのである。
自分をオールドタイプだと認めるのは誰にとっても悔しいものだ。だが、まだあきらめはしない。主幹も2008年型アルファブロガーへと成長を続けるべく日々研鑽していきたい。ついては、どこかの芸能事務所か厚遇してくれる企業からのスカウトをお待ちしています。ルックスについては磨けば光る原石です。よろしくお願いします。